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2009年06月19日
夢のみずうみ村
沖縄には、住環境を犠牲にして店舗優先で設計された古い建物が密集している商店街がけっこう残っている。1階は店舗、上は住宅となっているのだが、階段が異様に狭かったり、急だったりで危険極まりない代物だ。
高齢化の中で、そういう建物の上階に高齢者が住んでいることが多い。なかには、外の世界を知らないまま寝たきりになってしまった人もいる。
年をとると、畳の縁すらに躓いてしまうこともある。今まで普通に過ごしてきた空間が、高齢者にとっては凶器となる。
通常ならば、こうした環境を改善すべくバリアフリーが進められるのだが、あえてバリアを設けることで自立を促すやり方を取り入れているディケア施設があった。人生の現役養成道場をうたう「夢のみずうみ村」だ。山口と防府にある。
「夢のみずうみ村」では、通所者それぞれに自分のものを保管するタンスが用意されている。しかもこれらのタンスは伝い歩きの役に立つよう配置されていたりもする。通所者が血圧、体温などを自分で測って報告すると村独自の地域通貨「ユーメ」がもらえるようになっている。この「ユーメ」でお茶してもいいし、村内カジノで遊んでもいい。ワークショップメニューの材料費やプール代など、何にでも使えるのだ。
そして、施設内の数あるブログラムのなかから「今日は何をしよう」と決めるのはスタッフではなく通所者の自由意思である。要は、介護される存在であるけれども、実社会と同じ体験をすることで、ボケ防止に役立てている。
このやり方を肯定的に受け入れる人たちもいれば、あまりにも他の施設のやり方と違うため、批判する勢力も多い。さて、どっちが正しいとか、正しくないとかはどうでもよいことで、要は施設を利用する人たちが、そのサービスに納得しているかどうかだけの問題であろう。
考えてみれば、現役で生きている高齢者には、歩行困難もボケも見かけない。いやいや、そうなってしまったら現役でやってられないか。
ともかく人間、死ぬ寸前まで元気で過ごしたいもの。誰にも迷惑をかけず、眠るように去っていきたいもの。みんなそう考えつつも、予期せぬ事態に見舞われて、家族の重荷になってしまうことも多い。そうなると、人間としての尊厳すら損なわれてしまう。
もし、自分が年をとったならば、そして、施設を利用せざるを得なくなったとしたら、こんな施設を利用したいものである。
投稿者 masako : 2009年06月19日 23:21

